酒樽の人魚
灼熱の太陽がアスファルトを焦がす、ある夏の日。
職も、女も失い、飲んだくれの毎日を過ごす「私」は、行きつけの飲み屋で美酒と出会った。口に含めば生臭い女の味が広がり、胃に落ちれば濃厚な女の性臭が鼻から抜けていく。
その酒の虜となった「私」は、酩酊のさなか、酒の声を聞いた——。
僕は食虫植物
北島雅弘の短編集です。『顏』『ガラムとの対話』『僕は植物植物』の3作品を収録。
町の花屋で買った鉢植えにある日、人の顔のような実がなる — 『顏』
吸おうと思って取り出した煙草がなぜかしゃべり出す — 『ガラムとの対話』
アフリカで買った食虫植物が、まるで自分で餌を探すかのように鎌首をもたげてひとりでに動き出す — 『僕は食虫植物』
ヤマノテロマンチカ
〜東京駅編〜
恋に生き、恋に泣け!
山野千佳は半年間付き合ったカレシにフラれたばかり。25歳という年齢に焦りを感じつつ、運命の人との結婚を夢見て「恋愛バカ」が突っ走る! 舞台は東京駅八重洲口。千佳が探しあてたステキな王子様は、どこの誰?
恋をしている人も、そうでない人も。すべての人へ贈る毒舌悪態ラブストーリー。
墓ガール
山がある! 森がある! そして墓がある! いいえ、そこにあるのは新しい石碑。誰かの生きた証である。私たちはどう生きるべきか、人生の大事な時間を何に使うべきか、それを一番詳しく知っているのは、もちろんのことながら、死者だ。
時には、日々の忙しさを忘れて、言葉ならぬ助言を求めて、墓地などを散歩してみるのはいかがだろう。
なつばけ
夏休み明けの登校初日。あの娘が大人になって帰ってきた。あの夏、彼女にどんな事件が起こっていたのか。あの夏、誰が彼女を大人に変えたのか。その秘密は時の波間に隠されて永久に謎のままだ。
オンナは夏に化けるんです★
彼女を大人に変えた、あの夏のレポート。ニッポンの夏を呼び起こす、夏場系アート。
ダークメルヘンのための連作 その1
灰色の虹
崩れゆく灰色の世界に、たったひとりで暮らす灰色の男の子。男の子は、はがれ落ちた世界のかけらを、ひろい集め、高い塔を築いて暮らしていた。そんな男の子のもとに1羽のカラスが迷い込む。カラスは自分のいた世界のことを男の子に話しはじめる。別の世界の存在を知った男の子は...
ダークメルヘンのための連作 その2
雪だるまのアルフレッド
雪の女王の忠実なしもべとして極悪非道の限りをつくしていたアルフレッドは、寝ている子どもたちを襲い、その幸せな夢を奪っていた。ところがある日、夢を奪おうとしたアルフレッドは、その女の子に恋をしてしまう。運命の歯車が今、大きく変わりはじめる。
ギリシア神話物語 その1
アネモネになったアドニス
それは赤いアネモネの花にまつわるギリシア神話の物語。美少年アドニスは愛の女神アフロディテの寵愛を一身に受けて育っていた。ある日アフロディテが忠告する。森には近づくなと。けれどもアドニスは狩りの名手。言いつけを破り、森に入り、イノシシを仕留めようとして、そして…
つぶっちシリーズ第1弾
つぶっち
つぶっちという、とっても小さな生きものが、誰かの家の中でこっそり暮らしています。トマトを切ってみると、たくさんの、つぶっちが! そうです、つぶっちはトマトの中にいます。彼らは、身長1.5センチのミニマムサイズの小さな小さな住人たちなのです。
メルヘン童話集 みにまみにも 2
はりねずみのふぃりっぽ
「あのう、ぼくのこころを、しりませんか?」
「ほほほ、おかしなことを、きくものです。こころなら、ほら、そこにあるじゃないですか」
夜の森の中を、ふぃりっぽは心を探してまわります。明かりは手にしたランプの中で光るホタルの、じじだけです。夜はしだいに、ふけています。ふぃりっぽの心は見つかるのでしょうか...
メルヘン童話集 みにまみにも 4
るどるふ
るどるふは、トナカイの男の子。冬の日のある夜、おじいちゃんが無理難題を言いはじめます。あの大きなモミの木を飛び越えてみろと言うのです。無理に決まってます。でも、おじいちゃんは、こう言うのです。「いいから、つづけなさい。じゃがな、おかあさんには、ないしょじゃぞ」
さあ、秘密の特訓の、はじまりです。
旅人のスコップ
百聞は一見にしかず。そのスコップは、今も本当に存在していた。スコップを持った旅人は、いったい何者なのか…。その旅人とふれあった人々は、果たして、しあわせになったのか…。すべて読み終えたとき、その答えはあなた自身の中で、自然に見えてくるだろう。生きることの本質を、リアルに、シンプルに、感じとる。今まで、あるようで、なかった絵本。
残り時間
生まれてから経てきた時間、今、さらにはこの先与えられているであろう人生の残り時間。大半が過ぎ去る「今」が連続する最端の今で生きている。過去を呼び覚まし、残り時間を設定できるのだとしたら、人生という尺の中で「今」を捉え、誰しも計画的に時間を使うはずなのだが…。時間の概念すらない、土中の闇で繰り広げられるミミズとセミのやり取り。残り時間の設計は始まった。はたして、その行方は…
ふわふわさん
しゃぼん玉のような、あめ玉のような、たまごのような、まあるい、まあるい、ふわふわさんは、いつもいつでも幸せそう。ふわふわさんは今日もまた散歩に出かけます。さあ、今日は何が待っているのでしょう。
すべての絵は木の板にウッドバーニングで描かれ、物語は日本語と英語の両方で書かれています。
月天 01, 2013 Aug.
電子マガジン『月天』創刊!
小説あり、エッセイあり、詩あり、漫画あり、写真、イラスト、絵あり。『月天』は掲載する作品のジャンルを問わないノンジャンルの雑誌です。また掲載作品が公募によって集められていることも、ひとつの特徴です。小説なら原稿用紙20枚程度まで、写真なら20ページ程度まで。『月天』がコレクトする作品は小品に限られます。そうした応募作をエディターが一定の水準にまでブラッシュアップして皆様にお届けしています。
今回、創刊号は諸事情により2分冊での発行です。表紙を担当したのはイラストレーターのシロジ。『月天』フィーチャー・アーティストとして、両巻とも巻頭特集にはシロジの作品が盛り込まれています。そのシロジ以下、創刊号には13名のクリエーターに参加いただきました。この13名により、2013年8月、『月天』創刊号01、スタートです。
月天 02, 2014 Feb.
電子マガジン『月天』第2号です。第2号も創刊号に引き続き、2分冊での発行です。表紙を担当したのはイラストレーターの初見寧。初見寧のファンタジックで多彩な絵を集めたイラストコレクション、著作絵本『ぼくのだいすきな』(電書館)の創作アイデアをイメージ化したコンセプト・アートブック『「ぼくのだいすきな」スクラップブック』、インタビューなどなど、『月天』フィーチャー・アーティストとして、両巻とも、巻頭特集には初見寧の作品が盛り込まれています。その初見寧以下、第2号には15名のクリエーターに参加いただきました。この15名により、2014年2月、『月天』第2号02、スタートです。
月天 03, 2014 Jun.
電子マガジン『月天』第3号です。第3号も創刊号、第2号に引き続き、2分冊での発行です。表紙を担当したのはアーチストの、いけぶん。『月天』フィーチャー・アーティストとして、両巻とも、巻頭特集には、いけぶんの作品が散りばめられています。そして、そうした巻頭特集を、今回は小説家の晴海まどか、フォトグラファーの小野祐佳が担当。第3号には、いけぶん以下、15名のクリエーターに参加いただいています。2014年6月、『月天』第3号03、スタートです。
月天 04, 2014 Sep.
電子マガジン『月天』第4号です。第4号も創刊号、第2号、第3号に引き続き、2分冊での発行です。今回、表紙を担当したのは、photographer 小野祐佳。『月天』フィーチャーアーティストとして、両巻とも、巻頭には、小野祐佳の作品が散りばめられています。そして、その小野祐佳以下、第4号には18名のクリエーターに参加いただいています。2014年9月、『月天』第4号、スタートです。
月天 05, 2015 Jan.
電子マガジン『月天』第5号です。
小説あり、評論あり、詩あり、短歌、イラスト、マンガあり。『月天』は掲載する作品のジャンルを問わないノンジャンルの雑誌です。また掲載作品が公募によって集められていることも、ひとつの特徴です。小説なら原稿用紙20枚程度まで、イラスト、マンガなら20ページ程度まで。『月天』がコレクトする作品は小品に限られます。そうした応募作をエディターが一定の水準にまでブラッシュアップして皆様にお届けしています。
第5号も、第4号に引き続き、2分冊での発行になりました。今回、表紙を担当したのは、Harunaluna。赤と青、大胆な解釈によって『鏡の国のアリス』の世界が2つの表紙に表現されています。そのHarunaluna以下、第5号では16名のクリエーターに参加いただきました。
2015年1月、『月天』第5号、発刊です。